Sunday, May 20, 2018

長崎市の銭湯巡り 2018年版

今年のGWは10日間長崎にいて、毎日階段を巡っていました。毎日それぞれの場所で発見があったんですが長期間の階段巡りを時系列で記録にするより、テーマで分けて書いたほうが読みやすいかと思ったので今回はそういう書き方にします。で、初回は「銭湯」について。え?階段じゃないって?

このブログやインスタグラムではあまり銭湯のことを書きませんが俺は数年前からめっきり銭湯にはまってしまい、階段巡りをしたあとはできるだけ銭湯に寄ることにしています。全国的に下火の銭湯ですが地方の都市でも1つ2つは残ってることが多く、階段巡りで疲れた体を銭湯で癒やす瞬間は最高です。何より階段や路地を見て、お弁当屋さんで買ったお弁当を食べ、銭湯に入ることで全身がその街に染まっていくような、街との一体感を感じることができる。その意味では銭湯もまた階段巡りの一環なのです(強引)。

前置きが長くなりましたがそれではスタート。これが2018年現在営業中の長崎市の全銭湯です。

1. 西山湯


もうこれはいきなりビーンボールがきた、という銭湯。まず店主の体調の関係らしいですが火木土の週に3日しか開いてない。行けるときに行くしかない。というわけで初日にきました。

一見本当に営業してるの?というような入り口ですがこれくらいは序の口。銭湯に慣れればどんな見た目でも「よっ!やってる?」と常連顔して入っていけるようになります。

しかし入っていった瞬間にいきなり番台の店主に「お金を追うことは悪くない。でもそれだけを追っちゃあいかんですよ。だから少子化になるんです」と少子化について話されるとは思わなかった。入店時にこんなに困惑した銭湯は初めてです。ちなみに脱衣中、入浴中(に聞こえてくる)、湯上がりと20回以上同じ話を聞きました


そして浴槽は小ぶりなものが一つ。清掃はなされていて不潔な感じはしませんね。ただちょい温湯(ぬるゆ)。そして時間帯によるんでしょうが(と信じたい)循環していません。うおーん。


まずは体を洗おうと木製の椅子に腰掛け木製のたらいに湯をためるとダバー。めっちゃ漏ります。あれ?おかしいな?と思い別のを持ってきてもう一度お湯を入れるとダバー。あれあれ?もうひとつは…ダバー。ああ、そういう系ね。わかりました(目を泳がせながら)。

そしてゆっくり湯に浸かり、コンクリートの天井を眺めながら本日の階段を振り返り…たいけどもう俺の心は西山湯に全部塗り替えられました。西山湯、最高です


正直かなりクセのある銭湯なので銭湯初心者にはお薦めしません。初心者がいくとがっかり、いや怒ってしまう可能性も否定できない。そしてそういう声を聞いたら俺はとても悲しい。しかしあなたが銭湯は40、50は行っている、中々の銭湯もあった、と自負しているならぜひ行ってください。西山湯はあなたを待っています。

このあと10日間の間になんとかもう一度訪問したかったんですが曜日が合わず再訪なりませんでした。それが今回の長崎の旅で最も心残りなことです。

2. 白菊湯


昨日の西山湯の近くにある銭湯。西山湯は大きな街道沿いにあるので(行ったことはなくても)存在は地元民に認識されているようですが白菊湯は住宅街の奥まった場所にあるので地元の人でも知らない人が多いでしょう。

ここの最大の特徴は18時30分に閉店という店じまいの早さ。18時30分てまだ外明るいですよ。かといって開けるのが早いかというと14時なのでそんなに早くもない(ウェブの情報だと15時とあるが店頭には14時からと貼ってあった)。ここに来るためには観光を早めに切り上げ、入浴してから晩御飯を食べるというプランになるので恋人と来るときは調整が必要ですね。そんなカップルいるのか知らんけど。


中は存分に激渋な作りでいやーもうたまりませんね。町中の秘湯を楽しみたいなら白菊湯はお薦めです。

3. 徳乃湯


駅からけっこう距離のある銭湯ですが近くに浦上教会があるのでその観光と合わせてきてもいいかもしれない。また、バスを使ってもいいと思います。


民家の隙間にスポッとはまったような店構えで中が想像しにくい感じ。フロント形式を採用していておそらく平成初期あたりに改装したのではないでしょうか。しかしモダンかといえばそんなこともなく、脱衣場からロッカーの裏側に回るとうっかり裸のままロビーに出てしまう作りで油断大敵です。


お風呂も素敵だったんですが番台の女将さんがとても面白い方でした。また子供から老人まで万遍なく多くのお客さんがきていて地元に愛されてるなーと感じられる銭湯でした。

4. 高崎湯


茂木びわで有名な茂木は大きくない漁港なんですがなんと銭湯が2軒あります。茂木に泊まった日には高崎湯に来ました。見た目はプレハブの倉庫っぽい感じで、中もサウナやジャグジーがあり多分過去20年以内に大きな改装をしたんじゃないでしょうか。長崎駅からバスで30分の場所にあるここが長崎市の銭湯の中で最もモダンな銭湯というのも面白い話です。


中央にある大きな浴槽が2つに分かれていて片方はかなり熱湯(あつゆ)ですがもう一方はほどほどなのでこっちなら誰でも入れそう。

関係ないですがこの日午前中は野母という漁港にいっていてそこのバス停にいたお婆ちゃん達が話していた長崎弁がまったく聞き取れずほえーっと思っていたんですが、この銭湯にいた自分と同世代または年下の男性たちが話してる言葉もまったくわからなかった。この年代でもそんな方言話す?と思ったんですが、どうやら近くの旅館?で働いているタイの人たちだったようですw お婆ちゃんの言葉は正直それくらいの勢いでわかりませんでした。

5. 日栄湯


オランダ坂の降りる方にある超激渋銭湯。激渋度合いでいったら日本有数であり、もはやここ行かなかったら長崎行ったことにならないんじゃね?とすら思う(個人の感想です)。日栄湯は滞在中唯一2回行って、両日とも雨に降られて全身ずぶ濡れ状態だったのだけど、そんなときに入る銭湯がこれってどうよ。もう脳から変な汁が出てるのがわかった。


浴場でお父さんが女湯のお母さんにもう上がるか聞いている。女湯に話しかけるのっていいですよね。憧れです。誰か女性の方付き合ってくれませんか。伝説の壁越え石鹸パスを見たかったがさすがにそれはなかった。


駅から数分で、オランダ坂の近くで、ひたすらに激渋。地元の人にとっても銭湯といえば日栄湯が一番知名度が高いようですが、ここは本当にお薦めです。

番外 ゲストハウス・ライフテラス


この日は銭湯ではなくライフテラスの運営するゲストハウスのお風呂に入りました。ゲストハウスってたいていシャワーなんですがここは戸建ての一棟貸しなので浴槽があるのです。リフォームされた自動風呂ですがステンレスの浴槽が光ります。広いゲストハウスに一人なので寂しくてiPhoneから長崎の音楽を流し歌いながら入浴しました。長崎 長崎 南の町よ〜


6. 大平温泉


店頭の看板は大平ゆという表記でどちらが正しいかわかりませんがどちらでもいいのかもしれません。自分はバスを使いましたが長崎駅からでも徒歩20分弱なので歩いてでもいいかも。


長崎唯一のビル銭湯ですが無機質なところはなく優しい女将さんが気を遣ってくれ、とても気持ちよく入浴できた。また、長崎の銭湯事情についてもいろいろお話を伺いました。


殿と尻はかならず洗う事」という注意書きの殿という言い方を初めてみたので興味深かった。女湯はなんて書いてあるんだろう。やはりかな?


出ると入り口の通路が常連客の居酒屋状態になっていた。今回は時間なかったのだけど、次行ったらあの飲みに参加してみたいなー。

7. 小田湯


茂木港のもう一つの銭湯。ここもやってるのかやってないのかわかりにくいところですねー。よっ、やってる?


迎えてくれたのは話好きな店主。どこから来たの?と聞かれ東京からと答えると銭湯好きなの?なんで?へーと話が止まりません。Twitterの銭湯好きで有名な某氏のお話をお聞かせいただきましたw 毎年来てるらしい。関西から茂木まで… 話を聞くのは面白いんですがせっかくなら他にお客さんがいない間に写真撮らせてもらおうとお願いすると中の案内までしてもらえました。天井の明り取りが自慢だそうです。どこらへんが自慢なのかはよくわかりません


この日は端午の節句で菖蒲湯でした。この銭湯で菖蒲湯に入れるなんて俺はなんて果報者なんだ。


日栄湯のような渋さじゃないし、どこがいいの?と言われると非常に答えづらい。でも俺は小田湯が大好きです。茂木港自体いいところなのでぜひ観光で茂木にきて、小田湯に入ってもらいたいですね。茂木から長崎へ戻るバスはけっこう遅くまであるので長崎に宿を取っている人でも気軽にいけますよ。

8. 池島港浴場


ここは長崎市ではないので別枠なんですが、西海市の沖にある池島は軍艦島と同じく炭鉱で栄えた島で、池島炭鉱は日本で最後まで稼働していた炭鉱です。多分行政的な支援の関係でこの島には現在でも共同浴場が2軒あるのです。ちなみに軍艦島の横にある高島は古い共同浴場はないですが新しく温泉施設が作られている。

池島には佐世保港、瀬戸港、神浦港と3本の航路があり特に瀬戸港からは本数が出ているので晴れていればアクセスはそこまで悪くないです。ですが俺が行ったとき最初のトライは荒天で船が全便欠航し失敗、翌日のトライはフェリーは出ているけど帰りのフライトに間に合う小型船が欠航のため飛行機キャンセルして翌日休みを取り池島に行きました。ここに行けなかったら今回の旅は失敗とまでは言わないものの悔いが残る。ましてや島の共同湯なんて正直いつ営業が終了するかわかりません。次長崎来るときにはもうやってないかもしれない。そんなことになったらこの旅どころではない。人生に悔いが残ります。それと比べたら1日休みを延長するくらいなんてことはない。


共同浴場の口開けは16時なのでそれまで島を見て回ります。意外に階段があって驚いた。これで階段巡りのついでに池島の共同湯にいったと言い訳ができます。


そして念願の池島港浴場!歩いてたら16時ちょうどに間に合わず、開店を待ってた(おそらく)元炭鉱マン達が数名先に入浴されていました。せっかくだから写真撮りたかったけどこれは無理かなーと思ってたらこの島の方たちはかなりの早上がりで、自分が体を洗っているともう上がり始めました。自分よりあとに入った方もいらっしゃったんだけど俺が上がって体を拭いてるともうあがってきた。おかげで番台さんにお願いし写真を撮らせてもらうことができました。

炭鉱マンの汗を流し、歴史を染み込ませてきた共同浴場に入ることができて本当によかっった。このあと長崎駅に向かうバスを途中下車してギリギリ名古屋行きの夜行バスに乗り換え、東京へ帰ることになったんですが、そんなことはまったく苦にならないくらい幸せな旅、銭湯巡り、階段巡りだった。


長崎県には佐世保にも銭湯があるし島原の共同湯も行きたいし池島東浴場があるしこれで終了というわけではないんですが、まずは長崎市のすべての銭湯と池島の共同浴場に行けたことを本当に嬉しく思います。

長崎の銭湯、最高です!!


階段と銭湯という奇跡のコラボだけど残念ながら数年前に廃業した丸金湯。

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